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コラム

公開日:2026年7月2日(最終更新日:2026年8月3日) 家売却

残置物ありでも不動産は売れる?処分方法・費用相場・売却のコツを解説

残置物ありでも不動産は売れる?処分方法・費用相場・売却のコツを解説

不動産売却では、家具や家電などの残置物を残したまま売却できるケースがあります。ただし、契約内容や処分費用の負担を明確にしないと、売却後のトラブルにつながる可能性があります。本記事では、残置物の定義や売却方法、注意点、処分方法や費用相場までわかりやすく解説します。

残置物を残したまま不動産売却は可能か

不動産を売却する際、家の中にある家具や家電などの荷物をそのままにして売却できるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、残置物を残したまま不動産を売却することは可能です。

ただし、一般的にはすべて片付けてから引き渡すのが原則であるため、残したまま売却するにはいくつかの条件や注意点があります。ここでは、残置物の基本的な定義や、そのまま売却できるケース、売主が負うべき責任についてわかりやすく解説します。

残置物とは何かの定義

残置物(ざんちぶつ)とは、不動産の売却や引っ越しの際に、元の所有者が新居に持って行かずに建物内や敷地内に残していった私物や家財道具のことです。

具体的には、以下のようなものが残置物に該当します。

  • タンス、テーブル、ソファー、ベッドなどの家具類
  • 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの家電製品
  • 衣類、食器、本、日用品などの生活雑貨
  • 庭に置かれた物置やプランター、自転車など

不動産取引において、土地や建物は「不動産」ですが、これらの中にある荷物は「動産」として区別されます。そのため、不動産を売却したからといって、中にある荷物の所有権が自動的に買主に移るわけではありません。この取り扱いの違いが、売却時の重要なポイントとなります。

残置物ありで売却できるケース

原則として不動産は空の状態で引き渡すものですが、以下のようなケースでは残置物を残したまま売却することができます。

まず、買主が残置物の引き継ぎを希望しているケースです。例えば、エアコンや照明器具、状態の良い家具などを買主が「そのまま使いたい」と同意している場合は、残したまま引き渡すことができます。

次に、あらかじめ残置物がある状態での取引であることを合意しているケースです。これには、不動産の買い取りを専門に行う会社に直接売却する場合や、買主が処分を自ら行うことを前提として、その分の費用を考慮した上で買い取ることに同意している場合などが含まれます。

売主の責任と契約上の注意点

残置物を残したまま不動産を売却する場合でも、売主には果たさなければならない責任や、契約上の注意点があります。

不動産売買の原則では、売主は物件を完全な空の状態で買主に引き渡す義務を負っています。そのため、勝手に荷物を残したまま引き渡すと契約違反になる恐れがあります。

残置物を残して売却する際は、必ず売買契約書にその旨を明記しなければなりません。「どの荷物を残すのか」「残された荷物の所有権は放棄するのか」「処分の費用はどちらが負担するのか」といった内容を契約書に細かく記載し、お互いに合意しておく必要があります。口頭での約束だけでは、後から大きな問題に発展することがあるため、書面での取り決めが極めて重要です。

残置物ありの不動産売却でよくあるトラブル

残置物を残したまま不動産を売却する場合、事前の取り決めが曖昧だと、引き渡し後に大きなトラブルに発展することがあります。ここでは、実際によく起こる代表的な3つのトラブルについて解説します。

買主との認識違いによるトラブル

売主様と買主様の間で「何を処分して、何を残すか」の認識がズレていると、引き渡し時にトラブルになります。例えば、売主様は「エアコンや照明器具は便利だから残しておこう」と親切心で残したものの、買主様にとっては「最新のものを新調したいから邪魔だ」と受け取られてしまうケースです。

また、逆に買主様が「当然置いていってくれる」と思っていた家具を、売主様が処分してしまい、苦情につながることもあります。口約束だけで済ませてしまうと、後から言った言わないの争いになりやすいため注意が必要です。

契約不適合責任を問われるケース

契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約内容と合致していない場合に、売主様が負うべき責任のことです。残置物がある状態で売却する際、契約書に「残置物を含めて引き渡す」と明記していないにもかかわらず、ゴミや家具を放置したまま引き渡すと、契約違反(契約不適合)とみなされる可能性があります。

この場合、買主様から残置物の撤去を求められたり、場合によっては損害賠償請求や契約解除を突きつけられたりするリスクがあります。特に、一見して分からない床下や屋根裏、物置の中などに残された荷物は見落としがちで、後から発覚してトラブルになるケースが多く見られます。

残置物処分費用を巡るトラブル

残置物の処分には、人件費や運搬費などの費用がかかります。この処分費用を「売主様と買主様のどちらが負担するのか」を明確にしておかないと、引き渡し直前や引き渡し後に揉める原因になります

。一般的には売主様が負担して処分することが多いですが、現状有姿(そのままの状態)で引き渡す代わりに価格を安くするといった取り決めをすることもあります。

しかし、事前の合意が曖昧なままだと、引き渡し後に買主様から「処分費用を請求された」などの金銭トラブルに発展しやすくなります。見積もりを取った結果、想定以上に処分費用が高額になり、費用の分担を巡って話し合いが難航することもあります。

残置物を残したまま売却する方法

室内に家具や生活用品などの残置物がある状態でも、適切な方法を選べば不動産を売却することは十分に可能です。ここでは、残置物を残したまま売却するための具体的な2つの方法と、実際に不動産会社へ相談する際の流れをわかりやすく解説します。

現状有姿で売却する方法

現状有姿(げんじょうゆうし)とは、物件を今あるそのままの状態で引き渡すという取引方法です。この方法を利用すれば、売主様が事前に片付けや処分を行うことなく、残置物がある状態のままで売却できます。

最大のメリットは、売主様が処分費用を負担したり、片付けの手間をかけたりしなくて済む点です。一方で、購入した後に片付けを行うのは買主様となるため、一般の個人のお客様が買い手となる場合は、敬遠されてしまうこともあります。そのため、残置物の処分にかかる費用分をあらかじめ売却価格から値引きするなど、価格交渉が必要になるケースが多い点に注意が必要です。

買取業者に依頼する方法

もう一つの方法は、不動産会社や専門の買取業者に直接物件を買い取ってもらう方法です。仲介で一般の買い手を探すのではなく、プロの業者に買い手になってもらいます。

買取業者は、買い取った後にリフォームや片付けを自社で行うことを前提としているため、残置物があってもそのまま引き受けてくれるケースがほとんどです。売主様にとっては、手間をかけずに早く手放せる点が大きな魅力といえます。ただし、買取価格は市場の相場価格よりも安くなる傾向があるため、価格よりも「手間をかけずに早く売りたい」という場合に適した方法です。

不動産会社に相談する流れ

残置物を残したまま売却を進める際は、まず不動産の専門家に相談することから始めます。一般的な相談から契約までの流れは以下の通りです。

1. 現状の相談と査定の依頼

不動産会社に対して、室内にどのような残置物がどのくらい残っているかを正確に伝えます。その上で、現地を見てもらい、物件の査定を依頼します。

2. 売却方針の決定

不動産会社のアドバイスを受けながら、一般の買い手を探す「仲介(現状有姿での売却)」にするか、プロに買い取ってもらう「買取」にするか、ご自身の希望に合わせて方針を決めます。

3. 売り出しまたは買取の手続き

仲介の場合は不動産会社と媒介契約を結んで売り出しを開始し、買取の場合は業者から提示された買取条件を検討します。

4. 条件交渉と売買契約

買い手との間で、残置物をどのように扱うか(何を置いていき、誰が処分費用を負担するかなど)を明確に合意します。トラブルを防ぐため、合意した内容は必ず売買契約書に明記して契約を結びます。

残置物あり物件をスムーズに売却するコツ

残置物がある状態での不動産売却は、事前の準備や取り決めを丁寧に行うことで、後々のトラブルを防ぎ、スムーズに進めることができます。ここでは、売却を円滑に進めるための具体的なコツを3つ紹介します。

事前に残置物リストを作成する

売却活動を始める前に、家の中にどのような残置物があるのかを一覧にまとめた「残置物リスト」を作成しましょう。売主様と買主様の間で「どの荷物を残し、どの荷物を処分するのか」の認識がズレていると、引き渡しの際に大きなトラブルに発展することがあります。

リストには、家具や家電、照明器具、エアコンなどの品名だけでなく、それぞれの「処分方法(売主が撤去する・そのまま残す)」を明記します。可能であれば、対象物の写真を撮影してリストに添付しておくと、お互いの勘違いを防ぎやすくなります。

契約書に残置物の扱いを明記する

残置物の取り扱いについては、口頭での約束だけで済ませず、必ず売買契約書や付帯設備表などの書面に明記してください。書面に残すことで、法的なトラブルを防ぐことができます。

契約書には、「引き渡し日までに売主の負担で撤去する」のか、あるいは「現状のまま買主に引き渡し、売主は所有権を放棄する」のかを具体的に記載します。また、万が一約束通りに処分されなかった場合の対応や、処分費用の負担割合についても事前に取り決めておくことが大切です。

信頼できる不動産会社の選び方

残置物がある物件の売却は、通常の不動産売却に比べて買主様との調整事項が多くなります。そのため、残置物がある物件の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。

信頼できる会社を選ぶ際は、複数の不動産会社に相談し、これまでの取引実績や具体的な提案内容を比較しましょう。残置物の処分に関して、提携している専門の回収業者を紹介してくれるなど、売主様の負担を軽減するためのサポート体制が整っている会社を選ぶと安心です。

残置物の処分方法と費用の目安

不動産を売却する際、室内に残された家具や家電などの残置物をどのように処分するかは重要なポイントです。処分方法には、自分で処分する方法と、専門の業者に依頼する方法の2種類があります。それぞれの特徴と、気になる費用の目安について解説します。

自分で処分する場合の流れ

自分で残置物を処分する最大のメリットは、費用を大幅に抑えられる点です。時間はかかりますが、計画的に進めることで無理なく片付けることができます。

1. 残すものと処分するものの仕分け

まずは、新居に持っていくもの、売却先に引き渡すもの、そして処分するものを明確に仕分けします。引き渡し予定のエアコンや照明器具などは、誤って処分しないように目印をつけておくと安心です。

2. 自治体のルールに従ったゴミ出しと持ち込み

普段のごみ収集に出せるものは小分けにして処分します。粗大ごみについては、お住まいの自治体に事前の申し込みを行い、指定された手数料券(シール)を購入して指定日に出します。また、自分で地域のクリーンセンター(ゴミ処理施設)に直接車で持ち込むことで、より安く処分できる場合もあります。

3. 家電リサイクル法対象品の処分

テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、自治体のごみ回収には出せません。これらは、購入した家電量販店や買い替え先の店舗に引き取りを依頼するか、指定の引取場所に自分で持ち込む必要があります。その際、家電リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。

不用品回収業者を利用する場合

荷物の量が多い場合や、片付けに時間を割けない場合は、不用品回収業者に一括して依頼するのが効率的です。最短1日で家の中を空にすることができます。

1. 複数の業者から見積もりを取る

まずは複数の業者に問い合わせ、現地での見積もりを依頼します。1社だけで決めてしまうと、相場より高い料金を請求されるリスクがあるため、3社程度から見積もりを取って比較することが大切です。

2. 資格や実績を確認して業者を選ぶ

家庭から出るごみを回収するには「一般廃棄物収集運搬業許可」という資格が必要です。この許可を持っているか、または許可を持つ業者と提携しているかを確認しましょう。無許可の業者に依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

3. 作業の立ち会いと確認

作業当日は、処分するものの最終確認を行うために立ち会いが必要です。作業が終わった後は、室内に傷がついていないか、処分漏れがないかを業者と一緒に確認し、問題がなければ支払いを行います。

費用相場と注意点

残置物の処分にかかる費用は、荷物の量や建物の間取り、作業員の人数によって異なります。一般的な費用相場と、トラブルを防ぐための注意点を紹介します。

間取りごとの費用相場

不用品回収業者に依頼した場合の間取り別の費用目安は以下の通りです。ただし、一戸建てやマンションの階数、エレベーターの有無、トラックを駐車できる場所までの距離などによって料金は変動します。

  • 1DK・1LDK:約5万円から12万円
  • 2DK・2LDK:約10万円から25万円
  • 3DK・3LDK:約15万円から40万円
  • 4LDK以上(一戸建てなど)約25万円から80万円以上

荷物の量が極端に多い場合や、ゴミ屋敷のような状態になっている場合は、上記の相場よりも高額になることがあります。

処分時の注意点

処分費用を少しでも抑えるためには、買い取りサービスを行っている業者を選ぶのがおすすめです。状態の良い家具や家電、ブランド品などがあれば、処分費用から買い取り額を差し引いてもらえるため、実質の負担を減らすことができます。また、見積もり時に「追加料金が発生しないか」を必ず書面で確認し、口頭での約束だけに頼らないようにしましょう。

まとめ

残置物がある不動産でも、現状有姿や買取を活用すれば売却は可能です。ただし、契約書で残置物の扱いや費用負担を明確にしなければ、買主とのトラブルにつながるおそれがあります。スムーズに売却するためには、事前の準備を徹底し、残置物の取り扱いに詳しい不動産会社へ相談することが重要です。

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