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空き家管理

コラム

公開日:2025年12月10日(最終更新日:2025年12月28日) 空き家管理

実家が空き家になったらどうする?相続手続きの流れ・放置リスク・活用方法を徹底解説

実家が空き家になったらどうする?相続手続きの流れ・放置リスク・活用方法を徹底解説

実家が空き家になると、相続手続きや管理の負担、税金、放置によるリスクなど多くの課題が生じます。本記事では、空き家相続の基本的な流れから、放置する危険性、売却・賃貸・解体といった具体的な対処法、かかる費用や税金までをわかりやすく解説します。

実家が空き家になる前に知っておくべきこと

親御様が亡くなられたり、施設に入居されたりして、実家が空き家になる可能性は誰にでも起こり得ることです。しかし、空き家になった実家をそのまま放置してしまうと、様々なリスクや問題が発生する可能性があります。実家が空き家になる前に、どのようなリスクがあるのか、そしてどのような対策が必要なのかを事前に知っておくことが大切です。

空き家が抱えるリスクと問題点

空き家は、適切に管理されないまま放置されると、所有者にとって大きな負担となるだけでなく、近隣住民にも迷惑をかける可能性があります。まず、経済的なリスクとして、誰も住んでいなくても固定資産税や都市計画税は発生し続けます。さらに、電気やガス、水道などの基本料金、庭の手入れや建物の修繕費用といった維持管理費も必要です。

物理的なリスクとしては、建物の老朽化が進み、倒壊の危険性が高まることがあります。また、不法侵入や放火の標的になりやすくなるほか、不法投棄の場所として利用されたり、害虫や害獣の発生源になったりすることもあります。これらの問題は、近隣住民とのトラブルに発展し、損害賠償を請求される可能性も否定できません。長期的に見ると、建物の価値が著しく低下し、売却しようとしても買い手が見つかりにくくなるという資産価値の低下も大きな問題点です。

特定空き家等に指定されるとどうなるか

空き家が適切な管理をされずに放置され、周辺環境に悪影響を及ぼすと判断された場合、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「特定空き家等」に指定されることがあります。特定空き家等に指定されるのは、具体的には以下のような状態の空き家です。

  • 倒壊の危険性があるなど、保安上危険な状態にあるもの
  • 著しく衛生上有害となるおそれがあるもの
  • 景観を著しく損なっているもの
  • その他、放置することが不適切であると認められるもの

特定空き家等に指定されると、まず自治体から改善のための助言や指導が行われます。それでも改善が見られない場合は、勧告、命令と段階的に進み、最終的には行政代執行として、自治体が強制的に解体などの措置を取り、その費用を所有者に請求することになります。さらに重要なのは、特定空き家等に指定され「勧告」を受けると、住宅用地に適用されていた固定資産税の特例措置が解除されてしまう点です。これにより、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がる可能性があり、所有者の経済的負担は非常に大きくなります。

実家を相続する際の基本と流れ

実家が空き家になった際、または空き家になる前に相続が発生した場合、適切な手続きを踏むことが重要です。ここでは、実家を相続する際の基本的な流れと、それぞれの段階で知っておくべきポイントを解説します。

相続人の確定と遺産分割協議

相続が開始されたら、まず誰が相続人になるのかを確定させる必要があります。これは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本などを集めることで行います。民法で定められた法定相続人は、配偶者、子、直系尊属(父母や祖父母)、兄弟姉妹の順に相続権を持ちます。例えば、子が既に亡くなっている場合は孫が相続する「代襲相続」が発生することもあります。

相続人が確定したら、次に遺産分割協議を行います。これは、相続人全員で故人の遺産をどのように分けるかを話し合うことです。遺言書がある場合は原則として遺言書の内容に従いますが、遺言書がない場合は相続人全員の合意が必要です。実家のような不動産は、現金のように簡単に分けられないため、売却して現金を分割する「換価分割」や、特定の相続人が取得する代わりに他の相続人に現金を支払う「代償分割」などの方法が検討されます。話し合いがまとまったら、後々のトラブルを防ぐためにも「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名・押印することが非常に重要です。

相続登記の義務化と手続き

実家などの不動産を相続した場合、その名義を亡くなった方から相続人へと変更する手続きを「相続登記」と呼びます。この相続登記は、2024年4月1日から義務化されました。相続人は、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由なくこの義務を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記の手続きは、不動産の所在地を管轄する法務局で行います。必要書類は多岐にわたり、亡くなった方の戸籍謄本や住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本や住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、遺産分割協議書などが必要です。これらの書類を揃え、申請書を作成して法務局に提出します。手続きには専門知識が必要となるため、司法書士に依頼するのが一般的です。相続登記には、登録免許税という税金もかかります。

相続放棄という選択肢

相続は、必ずしもプラスの財産だけを受け継ぐとは限りません。借金などのマイナスの財産も相続の対象となります。また、管理が大変な空き家を相続したくないと考える方もいるでしょう。そのような場合に検討できるのが「相続放棄」です。

相続放棄とは、故人のプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないという意思表示のことです。相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとみなされます。この手続きは、自己のために相続があったことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てる必要があります。期限を過ぎてしまうと原則として相続放棄はできなくなるため、注意が必要です。

相続放棄をする際には、いくつかの注意点があります。一度相続放棄をすると、原則として撤回できません。また、相続放棄をすると次順位の相続人に相続権が移るため、その方々にも影響が及ぶことを理解しておく必要があります。さらに、相続財産の一部でも処分してしまうと、単純に相続を承認したとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性もありますので、専門家への相談を強くお勧めします。

空き家になった実家の活用と処分方法

相続した実家が空き家になった場合、その後の活用や処分方法について検討することは非常に重要です。空き家を放置することは、さまざまなリスクを伴うため、状況に応じた最適な選択をすることが求められます。

空き家を売却するメリットと注意点

空き家を売却することは、維持管理の手間や費用から解放され、まとまった資金を得られるという大きなメリットがあります。固定資産税や都市計画税の負担もなくなります。しかし、売却にはいくつかの注意点もあります。

まず、売却までには時間がかかる場合があり、すぐに現金化できない可能性があります。また、物件の状態によってはリフォームが必要となり、その費用が発生することもあります。売却価格の交渉や、買主との条件調整なども発生するため、専門知識が必要となる場面も出てくるでしょう。

不動産仲介と買取の違い

空き家を売却する方法としては、主に「不動産仲介」と「不動産買取」の2種類があります。

不動産仲介は、不動産会社が買主を探し、売主と買主の間に入って売買契約を成立させる方法です。市場価格に近い価格での売却が期待できる反面、買主が見つかるまでに時間がかかったり、仲介手数料が発生したりします。

一方、不動産買取は、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。仲介と比べて迅速な売却が可能で、仲介手数料もかかりませんが、一般的に市場価格よりも買取価格が安くなる傾向があります。

空き家バンクの活用

地方自治体が運営する「空き家バンク」も、売却方法の一つとして検討できます。空き家バンクは、空き家を売りたい人と、空き家を購入して移住・定住したい人をマッチングさせる制度です。

通常の不動産市場では売れにくい物件でも、空き家バンクを通じて買主が見つかる可能性があります。地域活性化に貢献できるという側面もありますが、売却までには時間がかかることや、自治体によって利用条件が異なる点に注意が必要です。

空き家を賃貸物件として活用する

売却だけでなく、空き家を賃貸物件として活用し、家賃収入を得るという選択肢もあります。定期的な収入が見込めるため、資産を有効活用したい場合に適しています。

ただし、賃貸物件とするためには、リフォームや改修が必要になるケースが多く、初期費用がかかります。また、入居者の募集や管理、退去時の対応など、賃貸経営には手間がかかるため、不動産管理会社に委託することも検討すると良いでしょう。空室リスクや修繕費用の発生も考慮しておく必要があります。

実家を解体して更地にする選択

空き家を解体して更地にするという選択肢もあります。老朽化が著しい物件や、立地が良いものの建物に価値がないと判断される場合などに有効です。更地にすることで、新たな建物を建てやすくなり、売却もしやすくなる可能性があります。

しかし、解体には高額な費用がかかります。また、住宅が建っている土地に適用される固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増加する点にも注意が必要です。更地にしたからといって、必ずしもすぐに売却できるとは限りません。

その他の活用方法

上記以外にも、空き家の活用方法はいくつか考えられます。例えば、リノベーションして自身や親族が住む、セカンドハウスや別荘として利用する、といった個人的な活用です。

また、地域によっては、駐車場やトランクルームとして活用したり、地域コミュニティスペースや民泊施設として活用したりする事例もあります。ただし、これらの活用方法は、物件の立地条件や自治体の条例などによって実現可能性が大きく異なりますので、事前に調査や相談が必要です。

空き家相続にかかる費用と税金

相続税と相続時の特例

実家を相続する際には、相続財産の総額に応じて相続税がかかる可能性があります。相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、相続財産の合計額がこの基礎控除額を超えた場合にのみ課税されます。基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算されます。

空き家を含む不動産を相続する場合、適用できる特例がいくつかあります。代表的なものに「小規模宅地等の特例」があります。これは、被相続人が住んでいた宅地(特定居住用宅地等)を相続した場合に、一定の要件を満たせば、その宅地の評価額を最大80%減額できる制度です。これにより、相続税の負担を大きく軽減できる可能性があります。

また、配偶者が相続する場合には「配偶者の税額軽減」という特例があり、配偶者が取得した相続財産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。これらの特例を適用するには、相続税の申告期限までに適切な手続きを行う必要があります。

固定資産税と都市計画税の負担

空き家であっても、不動産を所有している限り、毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課税されます。これらの税金は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して課せられる地方税です。空き家だからといって税金が免除されるわけではありません。

通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大で6分の1、都市計画税が最大で3分の1に軽減されています。しかし、空き家が「特定空き家等」に指定され、自治体から改善勧告を受けたにもかかわらず是正されない場合、この住宅用地の特例が解除されてしまうことがあります。

特例が解除されると、土地にかかる固定資産税や都市計画税が大幅に増額され、税負担が急激に重くなるリスクがあります。空き家を放置することは、経済的な負担を増やす原因にもなりかねません。

売却時の譲渡所得税と特例

相続した空き家を売却して現金化した場合、売却によって得た利益(譲渡所得)に対して「譲渡所得税」が課税されます。譲渡所得は、「売却価格」から「取得費(相続時の評価額や購入費など)」と「譲渡費用(仲介手数料など)」を差し引いて計算されます。

空き家を売却する際に適用できる特例として、「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除」があります。これは、相続した空き家が一定の要件を満たす場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。この特例を適用できれば、譲渡所得税の負担を大幅に軽減することが可能です。

ただし、この特例には、売却する空き家が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること、売却額が1億円以下であることなど、複数の厳しい要件があります。また、相続人がその空き家に住んでいた場合などには、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除が適用できるケースもありますが、これらの特例は併用できない場合がありますので注意が必要です。

専門家への相談が解決への近道

実家の相続や空き家問題は、法務、税務、不動産の専門知識が複雑に絡み合うため、個人で全てを解決しようとすると大きな負担がかかります。また、誤った判断をしてしまうと、後々トラブルに発展したり、余計な費用が発生したりするリスクもあります。専門家は、それぞれの分野の知識と経験を活かし、お客様の状況に合わせた最適な解決策を提案してくれます。適切な専門家に相談することは、問題をスムーズに解決し、安心を得るための近道となるでしょう。

司法書士や弁護士に相談するケース

実家の相続で法的な手続きや相続人同士のトラブルに直面した場合は、司法書士や弁護士への相談が有効です。

司法書士は、主に不動産の相続登記(名義変更)の専門家です。2024年4月からは相続登記が義務化されたため、期限内に手続きを完了させる必要があります。司法書士は、この複雑な登記手続きを代行し、遺産分割協議書の作成サポートも行います。また、相続放棄の手続きを検討している場合にも、司法書士に相談して適切な手続きを進めることができます。

弁護士は、相続人同士の紛争解決の専門家です。遺産分割協議がまとまらない場合や、遺言書の有効性について争いがある場合など、法的なトラブルが発生した際には、弁護士が代理人として交渉や調停、訴訟を進めてくれます。相続人の調査や、行方不明の相続人がいる場合の対応など、複雑なケースにも対応可能です。

税理士に相談するケース

相続に伴う税金の問題は非常に複雑で、専門的な知識が不可欠です。税理士は、相続税に関するあらゆる相談に対応します。

相続税の計算や申告手続きはもちろんのこと、小規模宅地等の特例や配偶者控除など、適用できる特例を判断し、節税対策のアドバイスを行います。これらの特例を適用することで、相続税額を大幅に軽減できる可能性がありますが、適用要件が厳しいため専門家による正確な判断が必要です。また、将来的な二次相続まで見据えた相続計画の立案や、税務調査への対応も税理士の重要な役割です。

空き家を売却した際の譲渡所得税についても、特例(空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除など)の適用可否を含めて相談できます。賃貸物件として活用する場合の不動産所得に関する税務相談も可能です。

不動産会社に相談するケース

空き家になった実家を「どう活用するか」「どう処分するか」といった具体的な不動産に関する問題は、不動産会社に相談するのが最適です。

売却を検討している場合、不動産会社は市場価値に基づいた適正な査定を行い、売却戦略を提案してくれます。買主探しから契約手続き、引き渡しまでの一連のプロセスをサポートし、不動産仲介と買取のどちらがお客様にとって有利かといったアドバイスも行います。また、地域の空き家バンクへの登録支援や、物件の状態に応じたリフォームの提案なども期待できます。

賃貸物件として活用したい場合は、賃貸市場の調査、適正な家賃設定、入居者募集、賃貸管理業務などを依頼できます。実家を解体して更地にする選択肢を考えている場合も、信頼できる解体業者の紹介や見積もり取得のサポート、更地にした後の土地活用に関する相談が可能です。

まとめ

実家が空き家になると、相続手続きや維持管理、税金負担など多くの問題が発生します。放置すれば特定空き家の指定や資産価値の低下につながるため、早めの対応が重要です。売却・賃貸・解体などの選択肢を比較し、司法書士や税理士、不動産会社と連携しながら、自分に合った最適な方法を選びましょう。

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