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空き家管理

コラム

公開日:2025年11月20日(最終更新日:2025年12月28日) 空き家管理

特定空き家とは?定義や認定基準、放置するリスクや対処法を解説

特定空き家とは?定義や認定基準、放置するリスクや対処法を解説

「特定空き家」とは、倒壊の危険や衛生上有害など、周辺環境に悪影響を及ぼすとして空き家対策特別措置法に基づき自治体に認定された空き家です。放置すれば、固定資産税の優遇措置が解除され税負担が最大6倍に跳ね上がり、最終的には行政代執行という重い負担が生じます。この記事では、特定空き家の定義と認定基準、影響、そして適切な対処法を解説します。

特定空き家とは何か その基本的な定義

「特定空き家」という言葉は、近年ニュースなどで耳にする機会が増えましたが、一般的な「空き家」とは異なる、法的に定義された特別な状態の家屋を指します。これは、適切に管理されていない空き家が地域社会に与える悪影響が深刻化したことを背景に、国が定めた法律によって位置づけられています。

空き家対策特別措置法における特定空き家の位置づけ

特定空き家は、正式名称「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家対策特別措置法)という法律に基づいて定義されています。この法律は、管理不全な状態の空き家が、倒壊の危険性、衛生上の問題、景観の悪化、犯罪誘発など、周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼすことを防ぐ目的で制定されました。

特定空き家と認定されると、自治体(市町村)は、その所有者に対して、適切な管理を促すための指導や勧告、さらには命令といった行政措置を講じることができるようになります。これにより、空き家問題の解決に向けた取り組みを強化しています。

特定空き家と一般的な空き家の違い

「空き家」とは、一般的に人が住んでいない家屋全般を指す広い概念です。例えば、長期の出張で一時的に誰も住んでいない家や、相続したばかりでまだ活用方法が決まっていない家なども「空き家」と言えます。

一方、「特定空き家」は、この一般的な空き家の中でも、特に「適切な管理がなされておらず、周囲に悪影響を及ぼす状態にある」と自治体が判断したものを指します。つまり、単に人が住んでいないだけでなく、その状態が悪化し、地域社会に具体的なリスクをもたらしているかどうかが、両者を分ける大きな違いとなります。

この違いは、所有者にとっての義務や、自治体からの対応にも大きく影響します。一般的な空き家であれば、所有者の自由な管理に委ねられますが、特定空き家に認定されると、法律に基づいた厳しい措置の対象となる可能性があります。

特定空き家と判断される具体的な基準

特定空き家と判断されるためには、空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空き家対策特別措置法)に定められた具体的な基準を満たす必要があります。これらの基準は、単に空き家であるだけでなく、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす可能性が高い状態を指します。具体的には、以下のいずれかの状態に該当すると、特定空き家として認定される可能性があります。

倒壊の危険性がある状態

建物が老朽化し、基礎や柱に著しい損傷がある、屋根や外壁の一部が崩落している、または建物全体が傾いているなど、そのまま放置すると倒壊するおそれがある状態を指します。このような状態は、地震や台風などの自然災害によってさらに被害が拡大し、通行人や隣接する建物に危害を及ぼす危険性が非常に高いと判断されます。

衛生上有害となるおそれがある状態

空き家が適切に管理されず、敷地内にゴミが不法投棄されている、雑草が繁茂して害虫や害獣(ネズミ、ゴキブリ、ハクビシンなど)の発生源となっている、あるいは異臭が発生しているなど、周辺住民の健康や衛生環境に悪影響を及ぼすおそれがある状態を指します。感染症のリスクを高めたり、生活の質を著しく低下させたりする原因となります。

景観を損なっている状態

建物の外壁が著しく破損している、窓ガラスが割れたまま放置されている、庭木が伸び放題で敷地からはみ出している、ゴミが散乱しているなど、地域の美観や良好な景観を著しく損なっている状態を指します。このような空き家は、地域の魅力や資産価値を低下させるだけでなく、防犯上の不安を与えることもあります。

その他周辺の生活環境に悪影響を及ぼす状態

上記のいずれにも該当しないものの、空き家が周辺の生活環境に深刻な悪影響を及ぼしている状態も特定空き家と判断されることがあります。例えば、不審者の侵入や不法行為の温床となっている、放火の危険性が高い、敷地内の樹木が隣地に越境して被害を与えている、または雨樋の破損により雨水が隣地に流れ込んでいるといった状況が挙げられます。これらの状況は、周辺住民の安全や平穏な生活を脅かす要因となります。

特定空き家に認定されるとどうなるか 所有者への影響

固定資産税の住宅用地特例の解除

特定空き家に認定されると、所有者にとって最も大きな影響の一つが、固定資産税の優遇措置である「住宅用地特例」が解除されることです。この特例は、住宅が建っている土地の固定資産税を最大で6分の1に軽減する制度ですが、特定空き家になるとこの適用が外れてしまいます。

その結果、土地にかかる固定資産税が大幅に増額され、所有者の経済的な負担が急激に高まることになります。これは、空き家を放置し続けることへのペナルティとして機能します。

行政からの指導 勧告 命令

特定空き家に認定された場合、自治体は所有者に対して段階的な行政措置を講じます。まず、空き家の状態改善を促す「指導」が行われます。この指導に従わない、または改善が見られない場合、「勧告」へと進みます。

「勧告」の段階になると、多くの場合、前述の固定資産税の住宅用地特例が解除されます。それでも改善されない場合は、最終的に「命令」が出されます。この命令には、空き家の除去や修繕、適切な管理を行うことなどが含まれ、これに従わない場合には、次の段階へと進むことになります。

最終的には代執行と費用請求

自治体からの「命令」にも所有者が従わない場合、最終手段として「代執行」が行われる可能性があります。代執行とは、自治体が所有者に代わって、特定空き家の解体や修繕、必要な措置を強制的に実施することです。

この代執行にかかった費用は、すべて空き家の所有者に請求されます。その費用は高額になることが多く、所有者は拒否することができません。経済的な負担だけでなく、所有者の意に反する形で空き家が処分されることにもつながります。

罰金や過料の可能性

特定空き家に関する行政からの「命令」に正当な理由なく従わない場合、空き家対策特別措置法に基づき、罰則が科される可能性があります。具体的には、罰金や過料が所有者に課されることがあります。

これは、特定空き家の放置が周辺住民の安全や生活環境に悪影響を及ぼすことへの法的責任を問うものであり、所有者には金銭的な負担だけでなく、法的責任も発生する可能性があることを意味します。

特定空き家になるのを防ぐには 適切な管理と対策

特定空き家と認定されると、所有者にとって大きな負担や責任が生じます。そうなる前に、日頃から適切な管理を行うことが非常に重要です。ここでは、特定空き家になるのを未然に防ぐための具体的な対策について解説します。

空き家を放置しないための日常的な管理

空き家は、人が住まなくなり管理が行き届かなくなると、急速に劣化が進みます。建物の老朽化だけでなく、庭の雑草が伸び放題になったり、不法投棄の対象になったりすることで、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性が高まります。このような状態を防ぐためには、定期的な管理が欠かせません。

具体的な日常管理としては、以下のような点が挙げられます。

定期的な巡回と確認:建物の外観や敷地内に異常がないか、郵便物が溜まっていないかなどを定期的に確認します。

清掃活動:庭の草むしり、落ち葉の除去、ゴミの片付けなどを行い、清潔な状態を保ちます。

換気と通水:窓を開けて室内の空気を入れ替えたり、水道の蛇口を少し開けて通水したりすることで、カビの発生や配管の劣化を防ぎます。

簡単な修繕:雨漏りや外壁のひび割れなど、軽微な損傷は早めに補修し、大きな問題に発展するのを防ぎます。

これらの管理を継続することで、空き家の状態を良好に保ち、特定空き家化のリスクを低減することができます。

早期発見と早期対応の重要性

空き家の劣化や問題は、放置すればするほど進行し、修繕費用も高額になります。また、周辺住民からの苦情や通報により、自治体から特定空き家としての指導を受ける可能性も高まります。

そのため、小さな異変に気づいた時点で迅速に対応することが非常に重要です。例えば、屋根の一部が破損している、外壁に大きなひび割れがある、敷地内にゴミが散乱しているといった問題を発見したら、すぐに専門家(工務店、リフォーム業者など)に相談し、修繕や清掃を依頼しましょう。また、空き家の管理が難しい場合は、地域の空き家バンクや不動産会社に相談し、売却や賃貸といった活用方法を検討することも早期対応の一つです。

早期に問題を発見し、適切な対応をとることで、特定空き家への認定を回避し、将来的な費用負担やトラブルを未然に防ぐことにつながります。

特定空き家と認定された場合の対処法

特定空き家に認定されてしまった場合でも、適切な対処法を取ることで状況を改善し、所有者への影響を最小限に抑えることが可能です。放置せず、早めに行動することが重要となります。

自治体や専門家への相談

特定空き家に認定されたら、まずは地域の自治体窓口に相談することをおすすめします。自治体には空き家対策の担当部署があり、現在の状況に応じた具体的なアドバイスや支援制度の情報を提供してくれます。また、自治体によっては空き家の専門家(建築士、不動産鑑定士、弁護士など)を紹介してくれるケースもあります。

専門家への相談は、法的な問題、不動産の評価、建物の状態診断など、多角的な視点からの助言を得るために非常に有効です。例えば、弁護士は法的な義務や責任、相続問題について、不動産会社や不動産鑑定士は売却や賃貸の可能性、適正価格について助言できます。

空き家の解体 除却

特定空き家が老朽化により倒壊の危険性が高い場合や、他に有効な活用方法が見当たらない場合は、建物の解体・除却も有力な選択肢となります。解体費用は高額になることがありますが、自治体によっては解体費用の一部を補助する制度を設けている場合がありますので、事前に確認することが大切です。

建物を解体して更地にすることで、倒壊の危険性や衛生上の問題は解消されます。また、更地にして売却しやすくなる、あるいは駐車場として活用するといった選択肢も生まれます。

売却や賃貸による活用

特定空き家をそのまま、またはリフォーム後に売却したり、賃貸物件として活用したりする方法も考えられます。これにより、空き家がもたらす経済的な負担を軽減し、むしろ収益を生み出す資産に変えることが可能です。

売却を検討する場合は、複数の不動産会社に査定を依頼し、適切な価格で市場に出すことが重要です。賃貸を検討する場合は、リフォームの必要性や賃貸管理について不動産会社と相談し、安定した賃貸経営を目指します。自治体が運営する空き家バンク制度を活用することも、買い手や借り手を見つける有効な手段の一つです。

リフォームやリノベーションによる再生

特定空き家の状態が比較的良好で、改修によって価値を高められる見込みがある場合は、リフォームやリノベーションを施して再生させることも選択肢となります。現代のニーズに合わせた住空間にすることで、売却や賃貸の可能性が大きく広がります。

リフォームやリノベーションには費用がかかりますが、こちらも自治体の補助金制度を利用できる場合があります。また、用途を住宅以外(カフェ、シェアオフィス、民泊施設など)に変更するリノベーションも、地域によっては需要があるかもしれません。専門の建築士やデザイナーに相談し、魅力的な再生プランを検討することが大切です。

まとめ

「特定空き家」とは、空き家対策特別措置法に基づき、倒壊危険や衛生上有害など、周辺に悪影響を及ぼすと認定された空き家です。認定されると、固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が急増します。さらに、自治体からの命令違反は過料や行政代執行を招きます。特定空き家化を防ぐには、定期的な換気・通水などの日常管理と、早期の修繕・活用・解体といった対策が不可欠です。

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