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空き家管理

コラム

公開日:2025年12月8日(最終更新日:2025年12月29日) 空き家管理

空き家を更地にするメリットやデメリット、活用方法を解説

空き家を更地にするメリットやデメリット、活用方法を解説

相続や住み替えで使われなくなった空き家を、このまま所有し続けるべきか悩んでいませんか。更地にすることで管理負担やリスクを減らせる一方、解体費用や固定資産税の増加といった注意点もあります。本記事では、空き家を更地にするメリット・デメリットを整理し、費用相場や手続き、解体後の具体的な活用方法まで分かりやすく解説します。

空き家更地を検討する前に知るべきこと

相続や住み替えなど、さまざまな理由で使われなくなった空き家。所有しているだけで維持管理の手間や税金の負担がかかり、どうすれば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そのまま放置しておくと、建物が老朽化し、近隣トラブルの原因になることもあります。そうした問題を解決する選択肢の一つが、建物を解体して「更地」にすることです。しかし、更地にするには費用がかかりますし、税金の扱いも変わるため、メリットとデメリットを正しく理解した上で判断することが重要です。この章では、まず空き家が抱える根本的な問題点と、なぜ更地化が検討されるのか、その背景について詳しく見ていきましょう。

空き家が抱える問題点と更地化の背景

空き家を所有し続けることには、多くの問題が伴います。まず、建物の老朽化は避けられません。適切な管理が行われないと、屋根や壁が破損し、雨漏りが発生します。最悪の場合、台風や地震で倒壊し、近隣の家屋や通行人に被害を及ぼす危険性もあります。また、庭の草木が伸び放題になれば景観が悪化し、害虫や害獣の住処となってしまうことも少なくありません。不法投棄のターゲットにされたり、放火や不審者の侵入といった防犯上のリスクも高まります。

こうした物理的な問題に加え、経済的な負担も大きな課題です。空き家であっても、所有している限り毎年「固定資産税」や「都市計画税」が課税されます。さらに、定期的な草刈りや小規模な修繕、火災保険料など、建物を維持するための管理費用もかかり続けます。

このような状況を背景に、国も対策に乗り出しています。2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の恐れがあるなど、著しく保安上危険な状態の空き家は「特定空家」に指定される可能性があります。特定空家に指定されると、固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がることがあります。さらに、行政からの改善命令に従わない場合は、強制的に建物を解体され、その費用を請求されることもあります。これらの問題を未然に防ぎ、根本的に解決する手段として、空き家を解体して更地にするという選択が注目されているのです。

空き家更地とは具体的に何を指すのか

「空き家を更地にする」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。これは、現在建っている家屋や倉庫などの建築物をすべて解体・撤去し、土地の上には何もない状態にすることを意味します。単に建物を壊すだけでなく、地中に埋まっているコンクリートの基礎や古い浄化槽、水道管なども取り除き、土地を平らにならす「整地」作業までを含めて「更地にする」と表現するのが一般的です。

不動産取引の場面では、「古家付き土地」という言葉と混同されることがありますが、両者は明確に異なります。「古家付き土地」は、古い建物が残ったままの状態で売買される土地のことです。この場合、建物の解体は買主の判断と負担で行われることが多く、土地の価格は解体費用を差し引いて設定される傾向にあります。

一方、「更地」は売主の責任と費用で建物を解体し、すぐにでも家を建てたり、駐車場として利用したりできる状態にした土地を指します。買主にとっては解体の手間や費用、リスクがないため、古家付き土地に比べて買い手がつきやすく、スムーズな売却につながりやすいという特徴があります。このように、空き家を更地にすることは、土地の価値を明確にし、その後の活用や売却を円滑に進めるための重要なステップと言えるでしょう。

空き家を更地にするメリット

誰も住んでいない空き家をそのままにしておくと、様々な問題が発生する可能性があります。建物を解体して更地にすることには費用がかかりますが、それを上回る多くのメリットが存在します。ここでは、空き家を更地にする3つの大きなメリットについて、具体的に解説していきます。

管理の手間や費用の削減

空き家を所有しているだけでも、実は多くの手間と費用がかかり続けます。建物を更地にすることで、これらの負担から解放されるのが最大のメリットと言えるでしょう。

まず、定期的な管理の手間が一切なくなります。例えば、庭の草むしりや樹木の剪定、建物の換気や通水、郵便物の確認など、空き家の状態を維持するためには定期的な訪問が必要です。遠方にお住まいの方にとっては、これが大きな負担となります。更地にすれば、こうした手間はほとんどかからなくなります。

次に、維持費用を削減できます。建物がある限り、固定資産税や都市計画税だけでなく、火災保険料も必要です。また、老朽化が進めば、雨漏りの修繕や外壁の補修など、突発的な出費が発生する可能性も高まります。水道や電気の契約を残していれば、使用していなくても基本料金がかかります。更地にすることで、これらの継続的なコストを大幅に削減できるのです。

さらに、空き家を放置することによるリスクも解消されます。老朽化した建物は、台風や地震で倒壊したり、屋根や壁が剥がれ落ちて近隣に被害を与えたりする危険性があります。また、不審者の侵入や放火、ゴミの不法投棄の標的になりやすく、防犯上の問題も無視できません。害虫や害獣の住処となり、衛生環境が悪化することも考えられます。更地化は、こうしたリスクを根本から取り除き、近隣トラブルを未然に防ぐことにも繋がります。

土地の売却しやすさ向上

将来的に土地の売却を考えている場合、建物を解体して更地にしておく方が、買い手が見つかりやすく、スムーズに取引を進められる傾向があります。

土地の購入を検討している人の多くは、そこに新しい家を建てることを目的としています。古い建物が残っていると、買い手は購入後に解体費用を負担しなければなりません。この解体費用がいくらかかるか不透明な場合、購入をためらう原因となります。あらかじめ更地にしておくことで、買い手は土地の価格と建築費用だけを考えればよくなり、購入のハードルが大きく下がります。

また、更地にすることで土地の状態が明確になるという利点もあります。建物があると、その下に隠れた地盤の状態や、正確な土地の広さ、日当たりの具合などが分かりにくくなります。更地であれば、買い手は土地の隅々まで自分の目で確認できるため、安心して購入を決断しやすくなります。

売主側のリスク回避という観点からもメリットがあります。古い家をそのまま売却した場合、引き渡し後にシロアリの被害や雨漏りといった欠陥(契約不適合)が見つかると、売主が修繕費用などを負担する責任を問われる可能性があります。建物を解体してしまえば、このような建物に関する将来的なトラブルの心配がなくなります。

土地活用の選択肢が広がる

空き家が建っている状態では、その活用方法はリフォームして貸し出すか、古家付きで売却するかに限定されがちです。しかし、更地にすることで建物の制約がなくなり、土地の可能性を最大限に引き出す多様な活用方法を検討できるようになります。

例えば、初期投資を抑えて始めやすい活用法として、月極駐車場やコインパーキング、近隣の工事会社への資材置き場としての貸し出しなどがあります。これらは管理の手間も比較的少なく、安定した収入が期待できます。

より大きな収益を目指すのであれば、アパートやマンション、戸建て賃貸住宅を建てて経営する方法もあります。立地条件が良ければ、長期的に高い収益を見込めるでしょう。その他にも、トランクルームや太陽光発電施設の設置など、その土地の広さや形状、周辺環境に合わせて様々なアイデアが考えられます。このように、更地にすることで、ご自身の希望や土地の特性に合わせた最適な活用方法を選べるようになります。

空き家を更地にするデメリット

空き家を更地にすることには多くのメリットがある一方で、慎重に検討すべきデメリットも存在します。特に費用面での負担が大きくなるケースが多く、計画段階で正確に把握しておくことが重要です。ここでは、更地化に伴う主な3つのデメリットについて詳しく解説します。

固定資産税の負担増

空き家を更地にする際に最も注意すべき点が、固定資産税の増加です。建物が建っている土地には「住宅用地の特例」という税金の軽減措置が適用されています。この特例により、土地の広さに応じて課税標準額が最大で6分の1にまで減額されています。

しかし、建物を解体して更地にしてしまうと、この特例の対象から外れてしまいます。その結果、土地にかかる固定資産税が、これまでの3倍から6倍にまで跳ね上がる可能性があるのです。都市計画区域内に土地がある場合は、都市計画税も同様に増額となります。解体後、土地がすぐに売却できたり、活用方法が決まったりすれば問題は少ないですが、長期間更地のまま所有し続けると、毎年高額な税金を支払い続けることになり、家計を大きく圧迫する要因となります。

解体費用や測量費用などの初期費用

空き家を更地にするためには、まとまった初期費用が必要不可欠です。その中心となるのが建物の解体費用です。解体費用は、建物の構造(木造、鉄骨造など)や広さ、立地条件(重機が入りやすいかなど)によって大きく変動しますが、一般的には数十万円から数百万円規模の費用がかかります。

さらに、建物本体だけでなく、庭の木々やブロック塀、カーポートなどの撤去が必要な場合は「付帯工事費」として追加費用が発生します。また、土地を売却する予定がある場合、隣地との境界を明確にするための「境界確定測量」が必要になることが多く、これも数十万円単位の費用がかかる場合があります。これらの費用はすべて自己資金で準備する必要があるため、事前に複数の業者から見積もりを取り、総額でいくらかかるのかを正確に把握しておくことが大切です。

売却までの期間やリスク

更地にすればすぐに土地が売れるとは限りません。土地の売却には、立地や周辺環境、経済状況などが大きく影響するため、買い手が見つかるまでに数ヶ月から数年単位の時間がかかることも珍しくありません。その間も、前述の通り税負担が増えた固定資産税や、土地を管理するための費用(草刈りなど)は継続して発生します。

また、建物があれば「中古住宅」を探している人も購入希望者になりますが、更地にすると「土地」を探している人にしか売れなくなるため、買い手の層が狭まる可能性も考慮しなければなりません。さらに、更地にした後に周辺の地価が下落してしまうと、想定していた価格で売却できなくなるリスクも伴います。思い出の詰まった家を解体したにもかかわらず、土地がなかなか売れずに維持費だけがかさむという状況に陥る可能性もゼロではないのです。

空き家解体にかかる費用相場と内訳

空き家を更地にする際に最も気になるのが、解体にかかる費用ではないでしょうか。解体費用は、建物の構造や大きさ、立地条件などによって大きく変動します。一般的に、解体費用は「坪単価 × 延床面積」という計算式で概算されますが、これはあくまで目安です。ここでは、建物の構造別に費用相場と、追加で費用が発生する可能性のあるケースについて詳しく解説します。

木造住宅の解体費用

日本で最も一般的な木造住宅の解体費用は、坪単価で3万円から5万円程度が相場とされています。例えば、延床面積が30坪の木造住宅であれば、90万円から150万円程度が費用の目安となります。ただし、この金額は地域や解体業者、建物の状態によって変わります。昔ながらの木造軸組工法か、比較的新しいツーバイフォー工法かによっても、解体の手間が異なり費用に影響することがあります。また、手作業での解体部分が多い場合や、廃材の量が多い場合は費用が上がる傾向にあります。

鉄骨造やRC造の解体費用

木造に比べて頑丈な構造である鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)は、解体費用が高くなるのが一般的です。

鉄骨造の住宅は、骨組みに使われる鉄骨の厚みによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分かれます。比較的解体しやすい軽量鉄骨造の場合、坪単価は4万円から6万円程度が相場です。一方、より頑丈な重量鉄骨造になると、坪単価は5万円から7万円程度まで上がることがあります。木造よりも解体に手間がかかり、重機が必要になることや、鉄骨という産業廃棄物の処分費用がかかるためです。

鉄筋コンクリート造(RC造)は、最も頑丈な構造のため解体費用も高額になります。坪単価の相場は6万円から8万円程度で、建物の規模や構造によってはそれ以上になることも珍しくありません。解体には大型の重機や特殊な工法が必要となり、騒音や振動も大きくなるため、近隣への対策にもコストがかかります。また、大量に発生するコンクリートガラの処分費用も高額になる要因の一つです。

付帯工事や追加費用が発生するケース

建物の本体を解体する費用以外に、以下のような「付帯工事」の費用が別途発生することがあります。見積もりを取る際には、これらの費用が含まれているか必ず確認しましょう。

  • 残置物の処分費用:家の中に家具や家電、衣類などの家財道具が残っている場合、その処分費用がかかります。量が多いと高額になるため、事前に自分で片付けておくと費用を抑えられます。
  • 庭木や庭石、ブロック塀などの撤去費用:庭にある樹木や庭石、物置、駐車場、ブロック塀、フェンスなどの撤去も追加費用となります。
  • 地中埋設物の撤去費用:建物を解体した後、地中から古い建物の基礎や浄化槽、井戸などが見つかることがあります。これらの撤去には追加の費用が必要です。
  • アスベスト(石綿)の除去費用:古い建物には、建材にアスベストが使用されている可能性があります。アスベストの除去には専門的な作業が必要で、調査費用や除去費用として数十万円から百万円以上の追加費用がかかる場合があります。
  • 立地条件による追加費用:重機が入れないような狭い路地に面している土地では、手作業での解体が多くなるため人件費がかさみ、費用が割高になることがあります。

これらの費用は状況によって大きく異なるため、複数の解体業者から詳細な内訳が記載された見積もりを取り、内容を比較検討することが非常に重要です。

空き家更地後の土地活用方法

空き家を解体して更地にした後、その土地をそのまま放置しておくのは得策ではありません。固定資産税の負担が増えるだけでなく、せっかくの資産を活かせないことになります。更地は建物の制約がないため、多様な活用方法が考えられます。ここでは、代表的な土地活用の方法をいくつかご紹介します。ご自身の土地の立地条件や広さ、かけられる費用や時間などを考慮し、最適な方法を見つけましょう。

駐車場や資材置き場としての活用

比較的少ない初期投資で始められるのが、駐車場や資材置き場として土地を貸し出す方法です。特に、将来的に別の活用方法を検討している場合の「つなぎ」としても有効な手段です。

駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。月極駐車場は安定した収入が見込める一方、コインパーキングは立地によって高い収益を上げる可能性があります。どちらも専門の管理会社に運営を委託すれば、管理の手間を大幅に削減できます。ただし、収益は周辺の需要に大きく左右されるため、事前のリサーチが重要です。また、建設会社や工務店などに資材置き場として貸し出す方法もあり、近隣で工事が多い地域では安定した需要が見込めます。

アパートやマンション経営

高い収益性を目指すのであれば、アパートやマンションを建設して賃貸経営を行う方法が代表的です。長期的に安定した家賃収入を得られる可能性があり、相続税対策としても有効な場合があります。人口が多いエリアや駅に近い土地など、賃貸需要の高い立地であれば、有力な選択肢となるでしょう。

ただし、建築には多額の初期費用がかかるほか、空室リスクや家賃下落のリスクも伴います。信頼できるハウスメーカーや管理会社をパートナーに選び、綿密な事業計画を立てることが成功の鍵となります。土地の広さによっては、戸建て住宅を建てて貸し出す「戸建て賃貸」も検討できます。

売却による現金化

土地の管理や運用に手間をかけたくない場合や、まとまった資金が必要な場合には、売却が最もシンプルな解決策です。建物がある状態よりも更地の方が、買い手が購入後のプランを立てやすいため、一般的に売却しやすいといわれています。信頼できる不動産会社に査定を依頼し、売却活動を進めることになります。

売却によって一度に大きな現金を得られるメリットがある一方で、大切な資産を手放すことになります。また、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合には、税金がかかることも覚えておく必要があります。複数の不動産会社に相談し、納得のいく価格で売却することが重要です。

その他多様な土地活用アイデア

上記以外にも、土地の特性を活かしたさまざまな活用方法が考えられます。

太陽光発電システムの設置

日当たりが良い広い土地であれば、太陽光発電システムを設置して売電収入を得る方法があります。固定価格買取制度(FIT制度)により、一定期間は安定した収益が期待できますが、制度の変更やメンテナンス費用も考慮する必要があります。

トランクルーム経営

住宅街やマンションが密集している地域では、収納スペースの需要が見込めるため、トランクルーム経営も有効です。コンテナを設置するだけで始められるため、比較的少ない初期投資で事業を開始できます。

高齢者向け施設の建設

社会的なニーズが高まっているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やデイサービスセンターなどの福祉施設を建設し、事業者に土地ごと貸し出す方法です。社会貢献度が高く、長期的に安定した収益が見込めますが、専門的な知識や事業者との連携が不可欠です。

空き家を更地にするまでの手続きと流れ

空き家を更地にするには、ただ建物を壊すだけではありません。事前の準備から工事後の手続きまで、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、解体を決めてから更地になるまでの一連の流れを、4つのステップに分けて具体的に解説します。この流れを事前に把握しておくことで、計画をスムーズに進めることができるでしょう。

解体業者の選定と見積もり

更地化の第一歩は、信頼できる解体業者を見つけることです。業者選びは、費用だけでなく工事の質や安全性にも大きく関わるため、慎重に行いましょう。まずは、インターネットや知人の紹介などを通じて、複数の解体業者をリストアップします。そして、必ず2社から3社以上の業者に連絡を取り、「相見積もり」を取得してください。相見積もりを取ることで、費用の相場感がつかめるだけでなく、各社の対応や提案内容を比較検討できます。

見積書を受け取ったら、金額の安さだけで判断せず、内訳を細かく確認することが重要です。「建物本体の解体費用」のほかに、「付帯工事費用(ブロック塀や庭石の撤去など)」、「廃棄物の処理費用」、「諸経費」などが含まれているかチェックしましょう。不明な点があれば、遠慮なく業者に質問してください。また、その業者が「建設業許可」や「解体工事業登録」といった必要な許可を得ているかどうかも、信頼性を判断する上で大切なポイントです。

ライフラインの停止と残置物の処分

解体工事を始める前に、必ず行わなければならないのが、電気、ガス、水道といったライフラインの停止手続きです。それぞれの供給会社(電力会社、ガス会社、水道局)に連絡し、解体工事を行う旨を伝えて供給を止めてもらいます。手続きには時間がかかる場合もあるため、工事日程が決まったら早めに連絡しておくと安心です。電話やインターネット回線を契約している場合も、同様に解約手続きが必要になります。

また、家の中に残っている家具や家電、衣類などの「残置物」は、原則として所有者が工事開始前に処分しなければなりません。自分で自治体のルールに従って処分する、不用品回収業者に依頼するなどの方法があります。もし処分が難しい場合は、解体業者に残置物の処分も併せて依頼できることがありますが、その場合は別途費用がかかるのが一般的です。どこまでを自分で行い、どこからを業者に任せるのかを事前に決めておきましょう。

解体工事の実施と完了

すべての準備が整うと、いよいよ解体工事が始まります。工事中は、騒音や振動、粉じんの発生が避けられないため、近隣住民への配慮が不可欠です。通常は、工事開始前に解体業者が近隣の家々を訪問し、工事の概要や期間について説明と挨拶を行ってくれます。これにより、後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。

工事は、まず建物の周りに足場を組み、騒音やホコリが飛び散るのを防ぐための養生シートを設置することから始まります。その後、内装材や窓ガラスなどを手作業で撤去し、重機を使って建物本体を解体していきます。建物がなくなった後は、地中に埋まっている基礎部分を掘り起こして撤去し、最後に土地を平らにならす「整地」作業を行って工事は完了です。完了時には、業者と一緒に現地を確認し、契約通りに工事が行われたか、廃材などが残っていないかなどをチェックしましょう。

滅失登記の申請

建物を取り壊したら、それで終わりではありません。工事完了後、1ヶ月以内に法務局へ「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」を申請する義務があります。これは、登記簿上からその建物が存在しなくなったことを記録するための大切な手続きです。この申請を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があるほか、存在しない建物に固定資産税が課され続けるといった問題も生じます。

滅失登記の申請は、自分で行うことも可能ですが、手続きが複雑なため、一般的には土地家屋調査士に依頼します。解体業者から工事完了後に発行される「建物取毀証明書(たてものとりこわししょうめいしょ)」などの必要書類を揃えて申請します。どの土地家屋調査士に依頼すればよいか分からない場合は、解体業者に相談してみるのも一つの方法です。この手続きが完了して、ようやく法的に更地として認められます。

空き家更地以外の選択肢を比較検討

空き家を解体して更地にすることは、有効な解決策の一つですが、それが唯一の選択肢ではありません。建物の状態や立地、そして所有者の方の将来設計によって、最適な方法は異なります。更地化を決断する前に、他の選択肢についてもそれぞれのメリット・デメリットを理解し、総合的に比較検討することが大切です。ここでは、代表的な3つの選択肢をご紹介します。

空き家をリフォームして再利用する

建物にまだ価値があり、構造的な問題が少ない場合には、リフォームやリノベーションを施して再利用する方法があります。思い出の詰まった家を活かしたい、という方にも選ばれる選択肢です。

この方法の最大のメリットは、建物を資産として活用し続けられる点です。ご自身やご家族が住むための住居として再生したり、後述するように賃貸物件として貸し出したりすることで、新たな価値を生み出せます。また、建物が存続するため「住宅用地の特例」が適用され続け、更地にするよりも固定資産税や都市計画税を低く抑えられることも大きな利点です。

一方で、デメリットとしてはリフォーム費用がかかる点が挙げられます。特に、老朽化が激しい空き家の場合、耐震補強や断熱改修、水回りの全面的な入れ替えなどで、数百万円以上の高額な費用が必要になるケースも少なくありません。費用をかけてリフォームしても、その後の活用がうまくいかなければ、投資を回収できないリスクも考慮する必要があります。

空き家を現状のまま売却する

できるだけ手間や費用をかけずに空き家を手放したい場合に有効なのが、「古家付き土地」として現状のまま売却する方法です。解体費用やリフォーム費用といった初期投資が不要なため、最も手軽な選択肢と言えるでしょう。

メリットは、買主が見つかりさえすれば、比較的スピーディーに空き家を現金化でき、維持管理の手間や固定資産税の負担から解放されることです。特に、駅に近いなど立地条件が良い場所であれば、買主が自分の好みに合わせてリフォームや建て替えをしたいと考えるため、需要が見込めます。

ただし、デメリットとして、建物の状態によっては売却価格が大幅に低くなる可能性があります。買主側が解体費用を負担することを見越して、その分の値引きを求められることが一般的です。また、売却後に建物の欠陥が見つかった場合に、売主が責任を負う「契約不適合責任」のリスクも存在します。そのため、建物の状態については、事前に正直に買主へ伝えることが重要です。買主が住宅ローンを利用しにくいといった側面もあり、購入者層が限定される可能性も念頭に置いておきましょう。

空き家を賃貸物件として活用する

空き家を賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得るという活用方法もあります。立地が良く、賃貸の需要が見込めるエリアであれば、安定した収益源になる可能性があります。

この方法のメリットは、空き家という資産を手放すことなく、継続的な収入を生み出せる点です。家賃収入を固定資産税の支払いや将来の修繕費用に充てることもできます。もちろん、建物が残るため固定資産税の軽減措置も継続されます。

しかし、デメリットも少なくありません。まず、人に貸せる状態にするための初期費用として、リフォームや修繕費用、ハウスクリーニング代などが必要になります。また、入居者がすぐに見つからない「空室リスク」や、家賃滞納、入居者間のトラブルといった運営上のリスクも伴います。これらの管理業務を不動産管理会社に委託することもできますが、その場合は管理委託手数料が発生します。安定した賃貸経営を行うには、物件の維持管理に継続的な手間と費用がかかることを理解しておく必要があります。

まとめ

空き家を更地にすることで、管理の手間や倒壊・近隣トラブルのリスクを減らし、売却や土地活用の選択肢を広げられます。一方で、解体費用の負担や固定資産税の増加といったデメリットも無視できません。更地化以外の選択肢とも比較し、費用・税金・将来計画を踏まえた上で、自分に合った最適な判断を行うことが重要です。

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