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空き家管理

コラム

公開日:2026年5月3日(最終更新日:2026年5月7日) 空き家管理

空き家の維持費用はどれくらい?年間費用や費用を抑えるポイントを紹介

空き家の維持費用はどれくらい?年間費用や費用を抑えるポイントを紹介

空き家の維持には、固定資産税や管理費、修繕費などで年間30万〜50万円ほどかかるのが一般的です。放置すると「特定空き家」に指定され税金が最大6倍になるほか、損害賠償リスクも伴います。本記事では、年間費用の内訳から、補助金の活用や有効活用でコストを抑えるコツまで、所有者が知るべき対策を解説します。

空き家維持費の全体像と平均的な年間費用

空き家を所有していると、たとえ誰も住んでいなくても年間を通して様々な費用が発生します。これらの費用は、空き家の状態や立地、管理方法によって大きく異なりますが、計画的に把握しておくことが重要です。

空き家にかかる主な費用の種類

空き家の維持にかかる費用は多岐にわたります。主なものとしては、以下のような種類が挙げられます。

  • 税金(固定資産税、都市計画税など)
  • 保険料(火災保険、地震保険など)
  • 水道光熱費(基本料金、通水・通電費用など)
  • 管理費用(自主管理の場合の交通費や清掃費用、専門業者への委託費用など)
  • 修繕費用(突発的な故障や老朽化による修繕、計画的な大規模修繕など)
  • その他の費用(庭の手入れ費用、害虫駆除費用、不法投棄物の処理費用など)

空き家年間維持費の相場

空き家の年間維持費は、物件の規模や築年数、立地条件、管理状況によって変動しますが、一般的には年間30万円から50万円程度が目安とされています。

最低限の維持費として、固定資産税や都市計画税、火災保険料、水道光熱費の基本料金などを含めると、年間10万円前後が必要となるケースもあります。

しかし、建物の老朽化が進んでいる場合や、専門業者に管理を委託する場合、あるいは大規模な修繕が必要になった場合には、年間費用がさらに高額になることもあります。

例えば、ある調査では空き家所有者の年間維持費の平均が21.4万円という結果も出ていますが、これは管理状況や費用のかけ方によって大きく異なることを示しています。

空き家にかかる税金の種類と算出方法

固定資産税と都市計画税の基本

空き家を所有している場合、毎年「固定資産税」と「都市計画税」の二種類の税金が課されます。これらの税金は、不動産を所有している限り、たとえ誰も住んでいなくても支払う義務があります。

納税義務者は、毎年1月1日時点での不動産の所有者であり、市区町村から納税通知書が送付されます。

固定資産税は、土地と建物の「課税標準額」に標準税率(一般的に1.4%)を乗じて算出されます。 都市計画税も同様に、課税標準額に制限税率(一般的に0.3%が上限)を乗じて算出されます。 課税標準額は、自治体が算定する固定資産税評価額を基に決定され、この評価額は3年ごとに見直されます。

ただし、都市計画税は、市街化区域内に所在する土地や建物にのみ課税される税金であり、市街化区域外の空き家にはかかりません。 また、土地の課税標準額が30万円未満、建物の課税標準額が20万円未満の場合は、課税されない場合があります。

空き家にかかる税金軽減措置の特例

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という軽減措置が適用され、固定資産税と都市計画税が大幅に減額されます。空き家であっても、建物が建っている限りはこの特例の対象となります。

この特例により、固定資産税については、住宅用地のうち200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)では課税標準額が6分の1に、200平方メートルを超える部分(一般住宅用地)では課税標準額が3分の1に軽減されます。 都市計画税についても同様に、小規模住宅用地では課税標準額が3分の1に、一般住宅用地では課税標準額が3分の2に軽減されます。

しかし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、管理不全な空き家が「特定空き家」に指定され、市町村から勧告を受けると、この住宅用地の特例が解除されてしまいます。 特例が解除されると、土地の固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大で3倍に跳ね上がる可能性があります。

特定空き家とは、倒壊の危険性がある、衛生上有害である、景観を損ねているなど、適切な管理がされていない状態の空き家を指します。 勧告を受けた場合でも、その年内に空き家の状態を改善できれば、翌年の課税額増加を避けられる場合があります。

また、空き家を解体して更地にした場合、住宅用地の特例は適用されなくなるため、結果として税金が高くなるケースが多いことに注意が必要です。

空き家管理費用とその内訳

空き家を所有する上で、適切に管理することは建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持するために不可欠です。管理には、ご自身で行う「自主管理」と専門業者に依頼する「専門業者管理」の二つの方法があり、それぞれ費用が異なります。

自主管理の場合の年間費用

ご自身で空き家を管理する場合、専門業者に依頼する費用はかかりませんが、それでも様々な費用が発生します。主な費用としては、空き家へ赴く際の交通費が挙げられます。

空き家が遠方にある場合、移動時間やガソリン代、公共交通機関の運賃、場合によっては宿泊費も必要となり、年間で数万円から数十万円に及ぶことがあります。月に1回の巡回で交通費や軽作業の道具代を含めると、1回あたり2,000円から5,000円程度が目安とされています。つまり、年間で2万円から6万円前後の費用がかかる計算です。

また、定期的な清掃や草刈り、簡単な修繕を行うための道具代や材料費も必要になります。これらの費用は、空き家の状態や手入れの頻度によって変動します。自主管理は費用を抑えられるメリットがある一方で、管理の手間や時間がかかるとともに、トラブルが発生した際の対応も全てご自身で行う必要がある点に注意が必要です。

専門業者に依頼する場合の年間費用

空き家管理を専門業者に依頼する場合、月額の管理費用が発生します。この費用は業者やサービス内容によって異なりますが、月額5,000円から10,000円程度が一般的な相場とされています。 年間では、おおよそ6万円から12万円程度が目安となります。

ただし、この基本料金には含まれないオプションサービスも多く、それらを利用する場合には追加費用がかかります。業者によっては、初期費用として5,000円程度が必要となるケースもあります。

空き家管理サービスの内容

専門業者による空き家管理サービスには、主に以下のような内容が含まれています。

  • 定期的な巡回と建物の目視点検(外観、雨漏り、破損の有無など)
  • 室内外の簡易清掃(玄関周り、敷地内など)
  • 郵便物の確認・整理、転送(別途費用の場合あり)
  • 換気・通水作業による湿気対策と配管の保護
  • 庭木の確認や雑草の状況確認
  • 電気メーター、水道メーターの確認
  • 管理状況の報告書作成と送付(写真付きの場合が多い)

これらの基本サービスに加え、草刈りや庭木の剪定、害虫駆除、雪下ろし、災害時の緊急点検、防犯設備の設置、不用品の処分などはオプションサービスとして別途費用がかかることが一般的です。

遠隔地の空き家管理費用

遠隔地にある空き家を管理する場合、専門業者への依頼は特に有効な手段です。 遠方であるため、ご自身で頻繁に現地へ赴くことが難しい場合でも、専門業者が定期的に管理を行うことで、建物の劣化防止や近隣トラブルの回避につながります。

遠隔地の空き家管理費用は、基本的な管理サービスに加えて、交通費や出張費が加算されることがあります。ただし、多くの業者は遠隔地からの依頼に対応しており、オンラインでの相談や契約、写真付きの報告書送付などにより、所有者の負担を軽減するサービスを提供しています。

都市部と地方では、管理費用の相場が異なる場合もあり、地方の方が税負担は軽いものの、管理委託先が限られ割高になるケースも存在します。 月額料金の目安としては、外回りのみで3,000円から5,000円、屋内作業を含む場合は8,000円から15,000円程度となることがあります。

空き家の修繕費用と計画的な積立

突発的な修繕費用

空き家を所有していると、予期せぬタイミングで修繕が必要になることがあります。これらは「突発的な修繕費用」と呼ばれ、例えば台風や地震などの自然災害による屋根や外壁の破損、給排水管の破裂、雨漏り、シロアリ被害などが挙げられます。

これらの問題は放置すると建物の劣化をさらに早め、大規模な修繕につながる可能性もあるため、早期の対応が不可欠です。緊急性の高い修繕は、まとまった費用が一度に発生することが多く、日頃から修繕費用の積み立てや、いざという時のための資金準備が重要となります。

計画的な大規模修繕の費用

空き家を良好な状態に保ち、資産価値を維持するためには、計画的な大規模修繕も欠かせません。建物の築年数や劣化状況に応じて、外壁の塗り替え、屋根の葺き替え、水回り設備の交換(給湯器、浴室、キッチンなど)、耐震補強工事などがこれにあたります。

これらの修繕は数年~数十年単位で必要となり、費用も高額になる傾向があります。そのため、事前に建物の状態を定期的に点検し、将来的に必要となる修繕箇所や時期を予測して、計画的に修繕費用を積み立てていくことが賢明です。長期的な視点での資金計画を立てることで、いざという時に慌てることなく、適切なタイミングで修繕を行うことができます。

空き家にかかるその他の年間費用

空き家を所有していると、税金や管理費以外にもさまざまな費用が発生します。ここでは、火災保険や地震保険の保険料、水道光熱費、通信費、そして庭の手入れや清掃にかかる費用についてご説明します。

火災保険や地震保険の保険料

空き家であっても、火災保険への加入は非常に重要です。人が住んでいない空き家は、放火や漏電による火災、自然災害による損壊などのリスクが高まる傾向にあります。火災保険に加入していれば、予期せぬ火災から建物を守り、近隣への延焼による損害賠償リスクにも備えることができます。具体的な保険料は、建物の構造や築年数、補償内容によって異なりますが、年間1万円から6万円程度が相場とされています。

一方、地震保険は火災保険とセットで加入する保険であり、空き家が住宅物件または併用住宅物件として扱われる場合に加入できる可能性があります。 ただし、保険会社によって判断基準が異なるため、個別に確認が必要です。 地震による火災は火災保険では補償されないため、地震のリスクが高い地域では地震保険の加入も検討することが望ましいでしょう。

水道光熱費や通信費

空き家であっても、水道光熱費や通信費が発生する場合があります。これらは、たとえ使用量が少なくても基本料金がかかるためです。

電気は、防犯対策のための照明や、換気扇、除湿器などの使用、あるいは管理時の掃除や荷物整理のために契約を継続することが推奨されます。 月々の基本料金は数百円から2,000円程度が目安となります。

水道も、配管の劣化防止のための通水や、清掃などの管理作業に必要となるため、契約を維持しておくことが一般的です。 月々の基本料金は1,000円から1,500円程度、年間では1万2,000円から1万8,000円程度が目安です。

ガスについては、空き家の管理において使用する機会が少ないため、解約を検討することも可能です。 通信費は、遠隔監視システムや防犯カメラなどを設置している場合に発生します。

庭の手入れや清掃費用

空き家であっても、庭の手入れや清掃は定期的に行う必要があります。庭木の剪定や草刈りを怠ると、雑草が繁茂して近隣に迷惑をかけたり、害虫や害獣が発生したりする原因となります。 専門業者に依頼する場合、庭の広さや作業内容によって費用は異なりますが、定期管理で年間7万円程度かかるケースもあります。

また、空き家の清掃も建物の状態維持には欠かせません。カビやほこりの蓄積を防ぎ、建物の劣化を抑えるために、定期的な換気と清掃が重要です。 専門業者にハウスクリーニングを依頼する場合、間取りや汚れ具合によって費用は大きく変動し、戸建ての3LDKで15万円から20万円程度が目安となることがあります。

空き家の年間維持費を抑える具体的な方法

空き家を所有し続ける限り発生する維持費は、工夫次第で軽減することが可能です。ここでは、具体的な節約方法をご紹介します。

自治体の補助金や助成金制度の活用

空き家の維持管理や活用、解体には、国や地方自治体が提供する様々な補助金や助成金制度を利用できる場合があります。これらの制度を積極的に活用することで、費用負担を大きく軽減できる可能性があります。

補助金・助成金の種類

多くの場合、空き家の改修や解体に対して補助金が支給されます。例えば、空き家を賃貸住宅や地域交流の拠点として再生するための改修費用や、老朽化が進み危険な状態にある空き家の解体費用などが対象となることがあります。

改修費用に対する補助金では、シェアハウスへの用途変更、バリアフリー化、防火・消火対策、子育て世帯向けの改修、耐震改修などが対象となることがあります。 また、家財道具の撤去費用を助成する制度を設けている自治体もあります。

国が実施する制度としては、「住宅セーフティネット制度」があり、住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅として登録することで、改修費や家賃の一部支援を受けられることがあります。

制度利用のポイント

補助金や助成金の内容、対象となる空き家の条件(築年数、延べ床面積、所有形態など)、申請期間は自治体によって大きく異なります。 空き家が所在する市町村の窓口に直接問い合わせるか、自治体のウェブサイトで情報を確認することが重要です。 特に解体費用に関する補助金は、解体工事を行う前に申請しないと対象外となるケースがほとんどですので、注意が必要です。

空き家の有効活用による収入確保

空き家を単に維持するだけでなく、有効活用することで収入を得て、維持費に充てる方法も効果的です。これにより、経済的負担を軽減するだけでなく、空き家の劣化を防ぎ、資産価値の維持・向上にもつながります。

空き家の有効活用には、以下のような多様な選択肢があります。

賃貸物件として貸し出す

リフォームやリノベーションを行い、戸建て賃貸やアパート・マンションとして貸し出すことで、安定した家賃収入を得ることができます。 シェアハウスとしての活用も考えられます。 空き家を賃貸に出すことで、固定資産税の軽減措置が解除される「特定空き家」への指定を避ける効果も期待できます。

民泊として活用する

観光地や交通の便が良い場所にある空き家であれば、短期滞在者向けの民泊として貸し出すことで、高い収益が見込めることがあります。

駐車場として活用する

庭や敷地を駐車場として提供することで、特に都市部など駐車需要が高い地域で収益を得ることが可能です。運営が比較的容易な点がメリットです。

福祉施設として活用する

高齢者向け介護施設など、福祉関連施設への転用も需要が高まっています。バリアフリー化など、高齢者が安全に過ごせる環境整備が必要ですが、補助金や税制優遇を受けられる場合があります。

コワーキングスペースやオフィスとして活用する

リモートワークの普及に伴い、オフィススペースの需要も増えています。

トランクルームやコインランドリー

地域によっては需要が見込める活用方法です。

活用方法を検討する際は、地域の需要や空き家の立地、状態を考慮し、市場調査を行うことが成功の鍵となります。

適切な管理で修繕費を抑制

空き家を放置すると、建物の老朽化が急速に進み、結果として高額な修繕費用が発生するリスクが高まります。 定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、修繕費を抑制し、空き家の寿命を延ばすことができます。日頃からできる管理の工夫は以下です。

定期的な換気と清掃

カビや害虫の発生、不快な臭いを防ぐために、定期的に窓を開けて換気を行い、室内を清掃することが重要です。

通水

水道管のサビや悪臭を防ぐため、定期的にすべての蛇口から水を流すようにしましょう。

庭の手入れ

雑草の繁茂や庭木の枝の伸びすぎは、害虫の発生源となったり、近隣トラブルの原因になったりする可能性があります。定期的な草刈りや剪定が必要です。 遠方で自身での手入れが難しい場合は、空き家管理サービスやシルバー人材センターの利用を検討するのも良いでしょう。

建物の点検

屋根や外壁、雨どいなどに破損がないか、雨漏りの兆候はないかなどを定期的に確認します。特に台風などの自然災害後は、被害がないか早めにチェックすることが大切です。シロアリなどの害虫被害も早期発見が重要です。

軽微な損傷のうちに修繕を行うことで、大規模な修繕が必要になる事態を避け、結果的に費用を抑えることにつながります。 自主管理と専門業者による巡回管理を組み合わせるなど、状況に応じた管理方法を選ぶことで、コストを抑えつつ適切な状態を保つことが可能です。

空き家を放置するリスクと費用

特定空き家に指定された場合の費用増加

空き家を適切に管理せず放置すると、自治体によって「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家とは、そのまま放置すれば倒壊の危険がある、衛生上有害となる恐れがある、景観を著しく損なう、または周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切であると認められる空き家のことです。

特定空き家に指定されると、自治体から助言や指導が行われますが、改善が見られない場合は「勧告」がなされます。この勧告を受けると、それまで適用されていた固定資産税の「住宅用地の特例」が解除され、固定資産税が最大で6倍に、都市計画税も最大で3倍に跳ね上がる可能性があります。

さらに改善が進まない場合、「命令」が出されます。この命令に従わないと、50万円以下の過料が科されることがあります。最終的には、自治体が所有者に代わって空き家の解体や修繕を行う「行政代執行」が実施され、その費用は所有者に請求されます。

近隣トラブルと損害賠償リスク

空き家を放置することは、近隣住民とのトラブルや損害賠償のリスクを高めます。老朽化が進んだ空き家は、台風などで屋根や外壁が飛散したり、庭木が倒れたりして、近隣の建物や通行人に被害を与える可能性があります。

また、雑草が生い茂り害虫が発生したり、不法投棄の場所になったり、不法侵入や放火の標的になったりするケースも少なくありません。これらの問題は、近隣住民の生活環境を著しく悪化させ、苦情やトラブルの原因となります。

民法第717条には「土地工作物責任」が定められており、空き家の欠陥によって他人に損害が生じた場合、所有者が損害賠償責任を負うことになります。実際に、空き家の倒壊や飛散物によって近隣に被害が出た場合、修繕費や治療費、慰謝料などの多額の賠償金を請求される事例も発生しています。相続放棄をした場合でも、状況によっては管理義務が残り、損害賠償責任を問われる可能性もあるため注意が必要です。

まとめ

空き家維持には税金や管理費など多額の費用がかかりますが、放置は厳禁です。特定空き家指定による増税や、老朽化に伴う損害賠償リスクを避けるためにも、早めの対策が不可欠です。自治体の補助金活用や賃貸などの有効活用、定期的な管理を計画的に行い、経済的・心理的な負担を最小限に抑えながら資産を守りましょう。

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