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コラム

公開日:2025年12月9日(最終更新日:2025年12月25日) 空き家管理

再建築不可物件を建て替える方法とは?原因・対処法・売却や活用方法まで徹底解説?

再建築不可物件を建て替える方法とは?原因・対処法・売却や活用方法まで徹底解説?

再建築不可物件は「建て替えできない」と思われがちですが、条件次第では可能性が残る場合もあります。本記事では再建築不可物件の基本から、接道義務や特例による建て替えの可否、リフォーム・売却・賃貸といった現実的な活用方法、相談すべき専門家までをわかりやすく解説します。

再建築不可物件とは何か その基本を理解する

「再建築不可物件」とは、一度建物を取り壊してしまうと、同じ場所に新しく家や建物を建てることができない土地や建物のことをいいます。不動産広告では「再建築不可」「建て替え不可」などと表示されることが多く、一般の住宅と比べて売却しにくく、住宅ローンも利用しづらいなど、資産価値に大きく影響します。

日本では、建物を建てるときに「建築基準法」という法律を守らなければなりません。この法律では、土地の広さや建物の高さだけでなく、道路とのつながり方や、火事や地震のときの避難のしやすさも決められています。再建築不可物件は、このルールの一部を満たしていないために、新しい建物を建てる許可が出せない状態になっている物件と考えるとわかりやすいです。

再建築不可物件が生まれる理由 建築基準法と接道義務

再建築不可物件が生まれるいちばん大きな理由は、「接道義務」を満たしていないことです。接道義務とは、建物を建てる土地が、幅4メートル以上の「建築基準法上の道路」に、2メートル以上くっついていなければならないという決まりです。この道路には、一般的な公道のほか、役所が認めた私道や、いわゆる二項道路なども含まれます。

昔からある住宅地では、細い路地や行き止まりの道に面した土地も多く存在します。こうした場所では、道の幅が4メートル未満であったり、そもそも法律上の「道路」とみなされていなかったりすることがあります。その結果、今は建物が建っていても、建て替えの申請をすると「接道義務を満たさない」と判断され、再建築ができない物件になってしまいます。

また、以前は問題なく建てられた土地でも、その後に建築基準法が改正され、道路の扱いや幅の基準が変わったことで、現在のルールに合わなくなる場合があります。路地状敷地と呼ばれる、細長い旗竿状の土地などでは、道路に接している部分が2メートルに足りないことも多く、このような形状が再建築不可の原因になることもあります。

既存不適格物件との違いを明確にする

再建築不可物件と似た言葉に「既存不適格物件」がありますが、意味は大きく異なります。既存不適格物件とは、建物を建てた当時は法律や条例にきちんと合っていたものの、その後の法改正によって、今の基準から見ると一部が合わなくなってしまった建物のことです。たとえば、現在の容積率や建ぺい率を超える延べ床面積になっている場合などがこれにあたります。

既存不適格物件は、原則として建て替え自体が禁止されているわけではありません。現在のルールに合わせた計画にすれば、新しく建物を建てることができる可能性があります。一方で、再建築不可物件は、接道義務などの根本的な条件を満たしていないため、そのままでは建て替えが認められません。この点が両者の一番大きな違いです。

不動産の売買や相続、賃貸経営を考えるときには、自分の物件が「再建築不可」なのか「既存不適格」なのかを正しく理解することがとても大切です。両者では、資産価値の評価や、金融機関の住宅ローンの取り扱い、将来の活用方法が大きく変わってくるため、早い段階で専門家に確認しておくと安心です。

再建築不可物件を建て替えるための可能性を探る

再建築不可物件を「どうするか」を考えるとき、多くの方がまず思い浮かべるのが建て替えの可否です。接道義務を満たす方法や、建築基準法の特例を活用することで、条件次第では再建築が認められる場合があります。ただし、どの方法も自治体や敷地の状況によって判断が分かれるため、早い段階で専門家に相談しながら検討することが大切です。

接道義務を解消し再建築を可能にする方法

最も基本的な考え方は、建築基準法で定められた接道義務をきちんと満たすように土地の状況を整えることです。原則として幅員4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接している必要がありますが、再建築不可物件はこの条件を満たしていないことがほとんどです。そこで、隣地を含めた土地の形や道路との関係を見直し、法的に「道路」と認められる部分を確保できないかを検討します。

隣地買収や通路確保で道を作る

現実的な解決策のひとつが、隣地の一部を買い取ったり、通路のための地役権を設定して、道路につながる細い通路を作る方法です。例えば、私道の持分を取得して自分の敷地から公道までの連続した通路を確保できれば、接道義務を満たせる可能性があります。ただし、隣地所有者との交渉や、測量・境界確定などの手続きが必要となり、費用や期間も物件ごとに大きく異なります。

また、通路ができても、建築確認を行う役所が「道路」として認めるかどうかが重要です。幅員や位置、既存の越境物の有無など、細かい条件が関係してきます。そのため、買収や通路確保を検討する段階から、不動産会社や建築士と連携し、実現可能性を慎重に見極めることが欠かせません。

建築基準法43条但し書き道路の許可申請

通常の道路としては扱えない通路であっても、建築基準法43条の但し書きに基づき、特別に建築を認めてもらえるケースがあります。これは、幅員が足りない私道や行き止まりの通路などで、安全上問題がないと判断された場合に限り、例外として建て替えを許可する仕組みです。申請先は物件がある地域を管轄する役所で、図面や写真、安全性を説明する資料などを提出して審査を受けます。

ただし、この但し書きが必ず認められるわけではなく、自治体ごとに運用の考え方が異なります。消防車の進入経路や避難経路の確保など、安全面で厳しく判断されることも少なくありません。そのため、事前相談の段階で役所の窓口や建築士に意見を聞き、許可の見込みを踏まえて進めることが重要です。

セットバックで再建築不可物件を建て替える

前面道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心線から敷地側に後退して建物を建てる「セットバック」によって、将来的に道路幅を確保する方法があります。セットバック部分は原則として建物を建てることができず、実質的に敷地が狭くなる一方で、接道義務を満たして再建築が可能になる場合があります。古い住宅地や細い道路が多いエリアでは、よく検討される方法です。

ただし、セットバックをしても再建築が認められるかどうかは、道路の種別や周辺の状況によって判断が異なります。また、敷地が極端に小さい場合、建て替え後の建物の規模がかなり制限されることもあります。建物の間取りや駐車スペースをどうするかなど、暮らし方も含めてシミュレーションしながら決めていくことが大切です。

特定行政庁の裁量による再建築許可のケース

接道義務やセットバックだけでは条件を満たしにくい場合でも、特定行政庁が安全性や周辺環境を総合的に判断し、例外的に建て替えを認めるケースがあります。たとえば、周辺の多くの家が同じような敷地条件で建っており、消防活動や避難に支障が少ないと判断される場合などです。このような判断は地域の実情を踏まえて行われるため、全国一律の基準があるわけではありません。

特定行政庁の裁量による許可を目指すときは、役所との事前協議が欠かせません。建築士が作成した図面や説明資料をもとに、安全性をどう確保するか、周辺への影響をどう抑えるかを丁寧に説明していく必要があります。結果として許可が出ないこともあり得ますが、再建築不可物件を「どうするか」を判断するうえで、可能性の有無を確認しておく価値は十分にあります。

再建築不可物件を建て替える以外の賢い選択肢

再建築不可物件は、建て替えができないからといって必ずしも価値がないわけではありません。現在の建物を生かして使い続ける方法や、売却して手放す方法、貸して家賃収入を得る方法など、いくつかの選択肢があります。ここでは、代表的な三つの活用方法について整理しておきます。

大規模リフォームやリノベーションで活用する

建て替えができなくても、柱や基礎がしっかりしていれば、間取り変更や水まわりの一新など、大きな工事によって住みやすさを高めることができます。耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強をすることで、安全性を高めながら長く住み続けることも可能です。また、外壁や屋根、設備を整えることで、将来売却や賃貸に出す際の印象や評価も変わります。工事費がかけた費用に見合うかどうかは、近隣相場や今後どれくらい住む予定かを含めて検討することが大切です。

再建築不可物件を専門業者へ売却する

自分では活用せず、できるだけ早く手放したい場合は、再建築不可物件を扱い慣れた不動産会社や買取専門業者への売却が選択肢となります。一般の買主には住宅ローンが組みにくく、売却期間が長引きやすいため、現金で買い取る業者に売る方法が検討されます。買取価格は通常の土地付き一戸建てより低くなりやすいものの、「現況のまま」「短期間で現金化できる」というメリットがあります。複数の会社から査定を取り、再建築不可物件の取り扱い実績や説明の丁寧さも含めて比較することが重要です。

賃貸物件として収益化を図る

立地や広さによっては、自分で住まずに賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る方法もあります。築年数が古くても、室内をきれいに整えれば、家賃を抑えた物件を探している単身者や高齢者、事務所利用の需要が見込める場合があります。入居者が安心して暮らせるように、最低限の修繕や設備交換は行い、火災保険や設備の点検も検討します。自分で管理するのが不安な場合は、賃貸管理を行う不動産会社に任せる方法もあります。空室リスクや修繕費、固定資産税などを踏まえ、どれくらいの期間貸すとよいか、収支の見通しを試算しておくと判断しやすくなります。

再建築不可物件の相談先 専門家との連携

再建築不可物件は、建築基準法や接道義務、権利関係などが複雑に絡み合っていることが多く、ご自身だけで判断すると誤った方向に進んでしまうおそれがあります。建て替えの可否や売却、大規模リフォームなど、どの選択肢を取るにしても、早い段階から複数の専門家と連携しながら進めることが大切です。

不動産会社や建築士への相談が不可欠

まず頼りになるのが、不動産会社です。再建築不可物件の取り扱い実績がある不動産会社であれば、周辺の取引事例をもとにした価格の目安、現況のまま売却した場合のメリット・デメリット、リフォームや賃貸として活用した場合のおおよその収支などを整理してくれます。また、再建築不可物件を専門に買い取る業者を紹介してもらえる場合もあります。

相談する際は、「再建築不可」や「接道義務を満たさない物件」の取り扱い経験があるかどうかを、担当者に具体的な事例を挙げてもらいながら確認すると安心です。査定額だけで判断せず、販売戦略や想定期間などの説明も合わせて聞くようにしましょう。

建て替えや増改築の可能性を検討したい場合は、一級建築士や二級建築士などの有資格者に相談することが重要です。建築士は、現地調査を行い、道路との関係や敷地の形、隣地との境界などを確認したうえで、建築基準法上の問題点や、43条ただし書きの許可申請やセットバックによって再建築の道があるかどうかを検討します。また、建て替えが難しい場合でも、耐震補強や間取り変更など、リノベーションでどこまで改善できるかの目安を示してくれます。

不動産会社や建築士に相談する前には、登記簿謄本、公図や測量図、建築確認済証や古い設計図面、固定資産税の納税通知書など、手元にある資料をできるだけそろえておくと、より正確な助言を受けやすくなります。図面や書類が見当たらない場合は、その旨を伝えたうえで、どこまで調査できるか相談してみてください。

法律の専門家 弁護士への相談も検討する

隣地を一部買い足して接道義務を満たしたい場合や、通路として利用している私道に正式な通行権がない場合、相続で共有名義になっている土地をどう整理するかなど、権利関係が絡む場面では、弁護士への相談も検討したほうがよいケースがあります。話し合いで解決できることもあれば、合意書や契約書をきちんと作成しておかないと、のちのちトラブルになるおそれがあるためです。

弁護士は、隣地所有者との交渉の進め方や合意内容の文書化、売買契約や通行承諾書の内容チェック、万一トラブルになった際の交渉・裁判の代理などを担当します。建築基準法や都市計画に関する行政の判断に不服がある場合、行政不服申立てや訴訟が選択肢になることもありますが、実際にどこまで争えるかは個別の事情によって異なるため、直接相談して見通しを確認する必要があります。

権利関係の整理には、司法書士や土地家屋調査士が関わることもあります。例えば、土地の分筆や合筆、境界確定、登記名義の変更などが必要になる場合です。どの専門家がどの部分を担当するかは案件ごとに違うため、不動産会社や弁護士から紹介を受けるか、各専門家に相談しながら体制を整えていくことになります。

再建築不可物件の活用や処分を検討するときは、不動産会社・建築士・弁護士といった専門家の意見を総合的に聞きつつ、市区町村の建築指導課など行政窓口にも確認しながら、現実的で無理のない方針を選んでいくことが重要です。

まとめ

再建築不可物件は建て替えが難しい反面、特例申請や接道条件の解消で可能性が広がる場合があります。建て替えが難しくても、リフォームや賃貸、専門業者への売却など選択肢は複数あります。重要なのは物件の状況を正しく把握し、不動産会社や建築士、弁護士と連携して最適な判断を行うことです。

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